※本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。
コードを弾いたときは少しザラッとさせたい。ソロでは、今のアンプの歪みをもう少しプッシュしたい。オーバードライブは、こうした音作りに使いやすいペダルです。
ただ、同じ「軽い歪み」でも、中域を目立たせる機種と、弾く強さで歪みを動かしやすい機種では選ぶ理由が違います。ここでは本体の予算を1万〜2.5万円程度で考え、SD-1、BD-2、TS9、Soul Food、BD-2Wの5機種を比べます。
オーバードライブは、アンプの設定と一緒に選ぶ
クリーンに設定したアンプなら、ペダル自体の歪みが音作りの中心です。すでにアンプを歪ませているなら、ペダルから送る信号を強くして、アンプ側の歪みをさらに引き出す使い方もできます。
まずはペダルで歪みを作るのか、今ある歪みをプッシュするのかを決めましょう。同じ機種でも、前者ではDRIVEやGAINを上げ、後者では歪み量を抑えてLEVELを上げる設定が比較の出発点です。
ペダルの歪みが中心
LEVELでプッシュする→歪んだアンプ
アンプの歪みも増える
オーバードライブとディストーションを「弱い歪み」「強い歪み」だけで分けると、欲しい音から離れることがあります。ゲインの幅は機種によって重なります。ずっと強く歪ませた音が欲しい場合は、歪み量に加えて音のまとまり方や調整範囲も比べてください。
中域・歪みの幅・弾く強さへの反応を聴く
伴奏に混ぜるとギターが埋もれるなら、中域の存在感が選ぶ手掛かりです。低い音をすっきりさせたいのか、コードの厚みを残したいのかでも選択が変わります。
強弱で表情を付けたいなら、弱く弾いたときの歪みの減り方を聴きます。コード、単音、弱いピッキングを同じ設定で試すと、使いたい場面に合うか判断しやすくなります。音量をそろえてから音色を比べることも大切です。大きい音はそれだけで印象が変わります。
ジャンルと好きなギタリストから、欲しい歪みを絞る
ブルースやブルースロックの単音を太くしたいなら、TS9やSD-1の中域に注目してみましょう。弱く弾いたコードをきれいに残し、強く弾くとクランチへ変わる音が欲しいならBD-2系です。ポップスやファンクで、クリーンの輪郭に軽く歪みを足す使い方にはSoul Foodも比べやすい機種です。
ハードロックやメタルでは、アンプを歪ませたうえでSD-1やTS9を使い、低音の膨らみを抑えながらリフの輪郭を出す方法があります。ペダル単体で強い歪みを作る場合とは、GAINやLEVELの設定が変わります。好きなジャンルに加え、歪みを作っているのがペダルかアンプかを見て選びましょう。
使用ギタリストを手掛かりにするなら、SD-1ではザック・ワイルドやカーク・ハメット、BD-2系ではジョン・メイヤー・トリオ時代のジョン・メイヤーの使用例があります。ブルースのリードとロックのコードでは、同じ機種でも狙う歪み方が違います。
定番オーバードライブ5機種を比較
中域を強調するならSD-1やTS9、強弱で歪みを動かすならBD-2系から比べます。軽い歪みと音量のブーストを別の設計方向で試すならSoul Foodです。
横にスクロールして比較できます。
| 機種 | ジャンル・音作りの目安 | 比較するときの注意 | 本体の予算感 |
|---|---|---|---|
| BOSS SD-1 | ブルースのリード、ハードロックやメタルのアンプをプッシュする | 音色を変えず音量だけ上げる用途とは分ける | 1万円前後 |
| BOSS BD-2 | ブルース、ロックのコード。弾く強さでクランチを動かす | 強い歪みだけが目的なら他の種類も比較 | 1.5万円前後 |
| Ibanez TS9 | ブルースロックの単音、中域を加えたリード | SD-1と役割が重なる場合は聴き比べる | 1.3万〜1.5万円 |
| EHX Soul Food | ポップスやファンクの軽い歪み、アンプのプッシュ | 高いDRIVEでは歪みのキャラクターも変わる | 1.5万〜2万円 |
| BOSS BD-2W | ブルースやロック。カスタムモードの太い歪みも使う | 追加モードを使うかで標準版と比較 | 2万〜2.5万円 |
BOSS SD-1|中域を前へ出し、低域を引き締める
SD-1は、豊かな中域とタイトな低域を特徴とするオーバードライブです。DRIVE、TONE、LEVELの3つで、歪み量、音の明るさ、出力を調整します。クリーンアンプで軽く歪ませるほか、歪んだアンプをプッシュする使い方にも向きます。
後段の歪みをプッシュしたい場合は、DRIVEを低めにしてLEVELを上げ、低音が膨らみすぎないかを聴いてみてください。非対称クリッピングを使った設計で、単に信号を大きくするブースターとは音を作る目的が違います。
低域まで同じバランスで持ち上げたい人は、この色付けが欲しいかを先に考えましょう。設計と音作りの例はBOSSのSD-1公式ページにあります。
BOSS BD-2|弾く強さで歪みを動かしたい人へ
BD-2は、ピッキングの強弱やギター側の音量に反応する音作りが特徴です。軽いクランチから歪みを増やす設定までGAINの調整幅があり、弱く弾く部分と強く弾く部分で表情を付けたい人が比較しやすい機種です。
Blues Driverという名前ですが、ブルース専用ではありません。コードの刻みやロックのバッキングでも、欲しい歪みの量と弾き方が合うかで選びます。
一定の強い歪みを中心にするなら、定番ディストーション4機種の違いと音作りも比べてみてください。BD-2を試すときはGAINを変えるたびにLEVELで音量をそろえると、歪みの幅を聴き取りやすくなります。公式の音作り・演奏例も参考になります。
Ibanez TS9|Tube Screamer系の音が欲しいとき
TS9はTube Screamerの現行再発モデルです。Drive、Tone、Levelの3つで調整し、中域の存在感を加える音作りや、後ろにある歪みをプッシュする用途で比較できます。
使用例としては、スティーヴィー・レイ・ヴォーンが1980年代にTS9を使っていました。伝記作者Craig Hopkinsが公開する本人の使用機材と資料にもTS9が登場します。ブルースロックの単音に中域の芯を加えたいなら、こうした音作りを手掛かりにできます。
SD-1と用途が重なりやすいため、両方を持つこと自体を目的にしないほうが選びやすくなります。同じギターとアンプで音量をそろえ、コードの低音、単音の中域、弱く弾いたときの残り方を聴き比べましょう。
TS9、TS808、TS Miniは別モデルです。筐体や電源の条件を他の型番から流用せず、IbanezのTS9製品ページで紹介する機種を確かめてください。
Electro-Harmonix Soul Food|軽い歪みとブーストを使い分ける
Soul Foodは、Klon Centaurを着想源とするオーバードライブです。内部で電源電圧を昇圧する設計を採り、軽い歪みから信号をプッシュする用途まで調整できます。SD-1やTS9とは別の方向を試したい人が比べる機種です。
DRIVEを抑えてVOLUMEを上げる使い方でも、後ろのアンプが歪んでいれば、音量より歪みが増えることがあります。元の音がどんな設定でもそのまま大きくなる、という意味のペダルではありません。
バッファーとトゥルーバイパスの切替も備えます。設計はメーカーのSoul Food説明を参照できます。海外向けの付属アダプター情報を国内品へ当てはめず、購入先で電源の付属内容を見ておきましょう。
BOSS BD-2W|追加のカスタムモードを使うなら
BD-2Wはスタンダードとカスタムの2モードを備えた、技クラフトのBlues Driverです。スタンダードでBD-2系の音を作り、カスタムではより太く、粘りのある音へ切り替えられます。
標準のBD-2との比較では、このカスタムモードを使いたいかが判断の中心です。太さを加えた単音やコードが欲しいなら聴き比べる価値がありますが、すでにBD-2で狙いの音が出ていれば一律に買い替える理由はありません。
モードは本体のスイッチで選びます。2種類を演奏中に足で切り替える専用のスイッチがあるわけではありません。両モードの方向はBOSSのBD-2W公式説明で確認できます。
音量・歪み量・接続順を合わせる基本
音作りを始めるときは、アンプを普段使う設定にし、ペダルの歪み量を低め、TONEを中央付近へ置きます。効果を切った音と入れた音を聴き、LEVELで音量をそろえてからGAINやDRIVEを上げていきます。
歪み量と音量は別々に調整します。歪み量を上げたら、LEVELも合わせ直しましょう。高音が強すぎる場合は、ペダルのTONEだけでなくアンプ側の高音設定も見ます。
歪みペダルを重ねる場合は、前のペダルの出力が後ろへ入ります。前段を上げると後段の歪みが増えやすく、後段の設定が最終的な音色にも関わります。最初から両方を強く歪ませず、片方ずつ役割を決めると調整しやすくなります。
重ねがけで歪みばかり増え、ソロの音量が上がらないときは、ブースターの接続位置とアンプの余力の考え方も確認してみてください。ペダルを買い足す前に、音量を上げたいのか、歪みを増やしたいのかを分けられます。
手持ちのアンプやマルチで欲しいクランチが出ているなら、追加する理由は音の切替や別の音色が必要かどうかです。ブランドや定番という理由だけで、同じ役割の機材を増やす必要はありません。
アンプとケーブルも、音作りの条件に合わせる
ペダルだけで完成する音ではなく、アンプまで含めた音として選びましょう。練習用アンプの使い方や、ペダルを増やすときのケーブルの長さは、次の記事で確認できます。

