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Fenderの定番モデルを、今のプレイヤーが使いやすい形へ磨き直す。2026年の新American Professionalは、その方向がピックアップだけでなく、ブリッジや手元のコントロールにも表れたシリーズです。
ストラトキャスター、テレキャスターに、ジャズマスターとジャガー。さらにHSSストラトと、ミドルピックアップを加えたHotShot Telecasterも並びます。新仕様の違いを知り、自分の弾きたい音と操作から6モデルを選ぶためのポイントを整理します。
初めてFenderを買う方、初めてのアメリカ製を考えている方は、シリーズの位置付けから。American Professional IIを使っている方は、新しい部品と受け継がれた仕様を比べてみてください。
新American Professionalで変わったところ
今回のシリーズは、2026年10月14日に国内発売されたAmerican Professionalです。旧American Professional IIとも、American Professional Classicとも区別して見てください。「III」という製品名ではなく、American Professionalという名前に戻っています。
大きな変更は、V-Mod IIIピックアップ、再設計されたブリッジ周り、ClassicGear Precisionポテンショメーターです。狙いは、モデルごとの個性を残しながら、音のバランスや、手が触れる部分、音量・トーンを動かす感触を整えること。新しい色を選ぶ楽しさに加え、演奏中の細かな操作へ目が向く更新です。
一方、Deep Cネック、指板の縁を丸く処理するロールドエッジ、ネック裏のサテン仕上げなどは、旧IIにも採用されていたものです。見かけた仕様をすべて今回の新機能だと思わず、「変わった部分」と「気に入って使い続けられる部分」を分けてみましょう。
シリーズの概要と国内展開は、Fenderによる国内の発売案内でも確認できます。ベースも含む発表ですが、この記事ではギター6モデルを取り上げます。
日本製も含むFenderの中で、どんな位置にある?
Fenderには、日本製のHybrid IIや、別の米国製シリーズもあります。American Professionalを選ぶ時も、生産国と価格だけでなく、ネック・ピックアップ・ハードウェアの方向を比べると、自分に合う位置が見えてきます。
| シリーズ | 国内予算の目安 | 比べたい方向 |
|---|---|---|
| Player II | 10万円台前半 | Fenderらしい外観と、現代的な使い勝手を別の予算から検討する基準 |
| Made in Japan Hybrid II | 10万円台半ば | 日本製で伝統的な外観とモダンな演奏仕様を組み合わせる。Modern Cやロッキングチューナーも比較点 |
| American Professional Classic | 20万円台半ば | CoastlineピックアップやModern Cなど、新American Professionalとは違う組み合わせ |
| American Professional 2026 | 30万円台前半 | 今回の対象。V-Mod IIIと新しいブリッジ・操作部、Deep Cの組み合わせ |
| American Ultra II | 30万円台後半 | Modern D、複合ラジアス指板、Noiselessなど、モダンな機能をさらに選びたい時の比較先 |
表は横にスクロールできます。
同じStratocasterの標準的な仕様を基準にした代表例です。色、ボディ材、限定仕様やモデルによって予算は変わり、各シリーズの全商品がこの帯へ収まるわけではありません。
例えば日本製Hybrid IIにも、モダンな演奏仕様やロッキングチューナーがあります。American Professionalへ替えれば、必要な機能が自動的に全部増えるという関係ではありません。反対に、初めて米国製Fenderを手にしたい気持ちがあるなら、その期待も大切にしつつ、Deep Cの感触やV-Mod IIIの音が好みに合うかを試してみたいところです。
同じ米国製でも、ClassicはModern CとCoastline、Ultra IIはModern DやNoiselessという違いがあります。American Professionalは、その間の価格というだけでなく、定番モデルの個性を残して、日々の演奏に触れる部分を更新した選択肢として捉えられます。
6モデルは、欲しい音と使う操作から選ぶ
まずはピックアップの配置、アーム、スケールを同じ表で比べましょう。形が気に入っているモデルを出発点に、その機能を自分の演奏でどう使うかを考えても構いません。
| モデル | ピックアップ | ブリッジ・スケール | 選ぶ軸 |
|---|---|---|---|
| Stratocaster | シングルコイル3基 | 2点支持トレモロ・25.5インチ | ストラトの各ポジションとアームを使いたい |
| Stratocaster HSS | シングル2基+ブリッジにハムバッカー | 2点支持トレモロ・25.5インチ | ストラトの形・操作で、ブリッジのハムバッカーも使いたい |
| Telecaster | テレ用シングル2基 | 固定式3サドル・25.5インチ | テレの前後の音と固定式を選びたい |
| HotShot Telecaster | テレ用の前後+ストラト用ミドル | 固定式3サドル・25.5インチ | テレを軸にミドルや中間ポジションも使いたい |
| Jazzmaster | ジャズマスター用シングル2基 | J-Bridge+Panorama・25.5インチ | ジャズマスターの構造とアーム表現を選びたい |
| Jaguar | ジャガー用シングル2基 | J-Bridge+Panorama・24インチ | 短いスケールとジャガーの音・外観に惹かれる |
表は横にスクロールできます。
Stratocaster|3シングルの音とアームを選ぶ
ネック、ミドル、ブリッジの3基にV-Mod IIIシングルコイルを搭載したストラトです。単独ポジションと中間ポジションを使い分けたい方は、ここを基準にHSSと比べると分かりやすくなります。
トーンノブのプッシュ・プッシュ操作で、ブリッジ側のポジションへネックピックアップを追加できるのもポイント。いつもの5段切替に加えた組み合わせを、クリーンや軽い歪みで試してみてください。ブリッジ単独の音を特に好むなら、ハムバッカーへ替えずにこのモデルを選ぶ理由があります。
Fender American Professional Stratocaster / 3-Color Sunburst・Rosewood
Stratocaster HSS|ブリッジのハムバッカーも使いたい
HSSは、ブリッジ側にハムバッカー、ミドルとネックにシングルコイルを載せた構成です。ストラトの形やアームは好きで、ブリッジ側にはハムバッカーの音も欲しい方が比べたいモデルです。
プッシュ・プッシュ操作で、ハムバッカーからシングルコイルの音へ切り替えられます。ただし、その切替音を通常の3シングルと完全に同じと考える必要はありません。フルのハムバッカーを使ったリードと、ほかのポジションへ切り替えた時の音量感まで、自分のアンプで試して選びましょう。
Fender American Professional Stratocaster HSS / 3-Color Sunburst・Rosewood
Telecaster|2基の使い分けと固定式の感触を選ぶ
テレ用のV-Mod IIIシングルコイルを前後に搭載。ブリッジはClassicGearの補正付きブラス・バレットサドルで、裏通しとトップロードの両方に対応します。右手を置いた時の感触も、試しておきたい部分です。
トーンノブのプッシュ・プッシュ操作では、2基を直列につなぐシリーズモードを使えます。通常のミックスと比べて、曲のどこで使いたいかを確かめてみてください。ミドルピックアップを増やすより、前後2基の操作に集中したいなら、HotShotではなくこちらを選ぶ理由があります。
Fender American Professional Telecaster / 3-Color Sunburst・Maple
HotShot Telecaster|テレにミドルと5段切替を加える
HotShotはテレ用の前後ピックアップに、ストラト用のV-Mod IIIをミドルとして追加したモデルです。5段階の切替に加え、プッシュ・プッシュ操作でネックを追加する組み合わせも使えます。
テレの形と固定式を軸に、ミドル単独や中間ポジションの選択肢を増やしたい方に向く構成です。ストラトを丸ごと置き換えると考えるより、いつものテレで使わない組み合わせを、曲に取り入れたいかで選びましょう。ピックがミドルへ当たる位置や、演奏中のセレクター操作も試すと判断しやすくなります。
Fender American Professional HotShot Telecaster / Aged Cherry Burst・Maple
Jazzmaster|25.5インチとオフセットのアーム表現
ジャズマスター用V-Mod III、ClassicGear J-Bridge、Panoramaトレモロを組み合わせています。スケールは25.5インチ。ストラトやテレと同じ長さでも、構えた時のボディとネックの位置、右手の置き方は実物で比べたいところです。
ブリッジピックアップのタップ機能に加え、上部のスイッチで2基を直列につなぐモードを使えます。見た目のヴィンテージ感だけで選ばず、今のシリーズの配線と操作を確かめてください。Jaguarと迷うなら、同じフレーズを弾き、スケールと弦の感触も比べましょう。
Fender American Professional Jazzmaster / 3-Color Sunburst・Rosewood
Jaguar|24インチの持ち替えと専用ピックアップ
Jaguarは24インチのショートスケール。専用のV-Mod IIIと、J-Bridge・Panoramaを搭載します。Jazzmasterとはピックアップもスケールも異なるので、外観の近さだけで同じ音の短い版とは考えない方が選びやすくなります。
短いスケールによるフレット間隔や張りの感触が、自分の弾き方に合うかを試してみてください。手が小さければ必ず楽ということでもなく、使うゲージやチューニングも関係します。ブリッジ側のタップと直列モードも、普段の曲で使いたい音があるかを聴いて選びます。
Fender American Professional Jaguar / Black・Rosewood
ピックアップ・ブリッジ・操作を、いつもの演奏で比べる
V-Mod IIIという名前だけでは、欲しい音かどうかは決まりません。クリーン、軽い歪み、普段の歪み量で同じフレーズを弾くと、モデルの選び分けに結び付きます。ボリュームを少し絞った時や、ネックからブリッジへ切り替えた時も聴いてみてください。
ClassicGear Precisionの音量・トーン操作は、ノブを回す重さと、音が変わる位置を確かめたい部分です。メーカーが意図する滑らかな変化が、自分の演奏中の操作に合うか。アンプを歪ませたまま、手元でクリーン寄りへ戻す使い方も試すと、仕様名が具体的な感触へ変わります。
新しいRadialベントスチールサドルは、ネジ頭を収めた設計。手を載せる場所とアーム操作を比べます。
ブラス・バレットサドルと、裏通し/トップロード対応。いつものピッキング位置での感触を確かめます。
J-BridgeとPanoramaの組み合わせ。揺れの幅、アームの位置、演奏後のチューニングを試します。
新しいブリッジを採用していても、どんな弦や設定でも調整不要になるわけではありません。普段使うゲージやチューニング、どの程度アームを動かすかを伝え、店側のセットアップと合わせて確認しておきましょう。
Fender公式の解説・演奏動画では、シリーズ全体の音と操作を見られます。動画を入口に、気になったポジションやアームの動きを実物でも試すと、どの機能を使うかが具体的になります。
American Professional II・Classicとの違い
旧IIから替えるかを考えるなら、いま変えたい部分が、今回の変更点にあるかを基準にしましょう。Deep Cやサテン仕上げを気に入っているなら、その共通点を残しつつ、新しいピックアップやサドル、操作部が欲しい変化かを試せます。
例えば旧IIのHSSにも、Deep C、ロールドエッジ、22本のナロートールフレット、冷間圧延鋼ブロックの2点支持トレモロ、成形ハードケースが採用されていました。「新しいから全部違う」と見るより、継続部分と変化を分ける方が、買い替えの理由を整理できます。
一方、American Professional Classicは、似た名前でも別の仕様です。標準StratocasterではCoastline ’57、Modern C、ミディアムジャンボフレット、ギグバッグを採用。今回の新American Professionalとは、ピックアップ、握り心地、フレット、付属ケースまで比べる点があります。価格差をそのまま品質差と考えず、好みの組み合わせを探してください。
中古の旧IIと現行の新品を比べる場合は、フレットの状態や改造、付属品、保証まで条件をそろえる必要があります。色が同じ、名前が似ているという理由で、販売ページを同じ世代だと思い込まないようにしましょう。
初めてのFenderも、欲しいモデルを自分の手で選ぶ
初めてFenderやアメリカ製Fenderを買う時も、普段弾く音楽と、好きな外観の両方を選ぶ理由にして大丈夫です。Stratocasterの3シングルが欲しいのか、HSSでブリッジ側を変えたいのか。Telecasterの2基構成に惹かれるのか、HotShotのミドルも使いたいのか。その違いを一つずつ比べてみてください。
JazzmasterとJaguarなら、まずスケールと構え方を比べ、次にアームとスイッチを使ってみる。同じフレーズを続けて弾くと、今までのギターから持ち替えた時の好みも見つけやすくなります。
新American Professionalの予算感は30万円台前半。購入する個体の重さ、ネックの感触、指板、弦高、チョーキング時の音、操作部の動きを確かめ、初期調整や国内保証の窓口も見ておきましょう。今回のギター6機種にはDeluxe Molded Caseが付属します。
新シリーズを選ぶ楽しさは、Fenderの定番の形を、自分の今の演奏で使うことにあります。6モデルの中から、音も操作も外観も気に入る1本を探してみてください。
選んだギターに合わせて、足元の音作りも考えたい方はこちらへどうぞ。
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