Volt Gen 2とMaxの違いは?新型6機種を録り方で選ぶ

Universal Audio Volt Gen 2とMaxのオーディオインターフェース。「あなたに合う1台がわかる」購入ガイド。 DTM

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歌とギターを録りたいだけなのに、Voltの新型は6機種。Gen 2とMaxの違いを見比べているうちに、「少し予算を足して上のモデルにした方がいいのかな」と迷ってしまいます。

Gen 2もMaxもTone Shapingで音色を選べます。Maxを選ぶ大きな理由は、録音中に本体のコンプレッサーを使えることです。先に、同時に使うマイクが1本・2本・4本のどれか、シンセの左右もつなぐかを決め、その入力数を満たす機種から本体の音作りで絞りましょう。

この記事では、新型Volt 1/2/4 Gen 2とVolt 2/4/4P Maxを、歌・ギター・シンセの宅録で選び分けます。旧型から買い替える場合の注意点と、買った後の録音準備も一緒に見ていきましょう。

まず、何を同時に録るかで絞る

曲の中にギターも歌もベースも入っていても、1つずつ重ねて録るなら、その数だけ入力端子を用意する必要はありません。数えるのは、同じテイクで別々の音として録りたいものです。

たとえば歌のマイク1本と、ケーブルで直接つなぐギターなら2入力。アコースティックギターをマイク2本で録るなら、2つのマイク入力が必要です。シンセを左右の広がりごと録る場合も、左と右でライン入力を2つ使います。

マイク入力と楽器入力の違いから整理したい場合は、オーディオインターフェースの入力数の決め方も参考にしてください。

Gen 2とMaxは、録るときの音作りと端子で選ぶ

新しいVoltは、どれも32ビット/最大192kHzの変換と、音色を変えるTone Shapingを備えています。Gen 2でも音色を選べるので、「音作りをするなら必ずMax」という分け方ではありません。

Maxを選ぶ大きな理由は、本体のコンプレッサーを通した音を、録音しながら聴けることです。歌やギター、ベース向けに用意された6種類のプリセットから選べます。さらに光入力やMIDI、2つのヘッドホン端子など、接続とモニターの機能も増えます。

表は横にスクロールできます。入力数は、外付けの拡張機材を使わない場合です。

録音に必要な違いで比べる6機種
機種同時に使えるアナログ入力/マイク直結操作・音作りモニターと拡張
1 Gen 22入力/マイク1本
マイクまたはライン+楽器
手動ゲイン・Toneヘッドホン1端子
MIDI・光入力なし
2 Gen 22入力/マイク2本画面・オートゲイン・Toneヘッドホン1端子
MIDI・光入力なし
4 Gen 24入力/マイク2本
追加2入力はライン
画面・オートゲイン・Toneヘッドホン1端子
MIDI・光入力・USBハブ
2 Max2入力/マイク2本画面・オートゲイン・Tone+Maxヘッドホン2端子・トークバック
MIDI・光入力・USBハブ
4 Max4入力/マイク2本
追加2入力はライン
画面・オートゲイン・Tone+Max2 Maxの機能+
スピーカー2組の切り替え
4P Max4入力/マイク4本画面・オートゲイン・Tone+Maxヘッドホン2端子・トークバック
スピーカー2組の切り替え
MIDI・光入力・USBハブ

2 Gen 2以降の楽器入力は、同じチャンネルのマイク/ライン入力と使い分けます。前面と背面の穴を全部足して、同時入力数を増やせるわけではありません。また、Maxのヘッドホン2端子は同じミックスを共有します。2人へ別々の伴奏バランスを送れる、と端子数だけで判断しないようにしましょう。

Toneは音色、Maxは音量の動きも整える

ToneにはWarmth、Focus、Shineの3モードがあります。メーカーはそれぞれ、真空管、ソリッドステート、英国製クラスAのマイクプリアンプを思わせる音色として説明しています。歌を録る前に音の方向を決めたい人も、素材のまま録りたい人も、Toneのオン/オフから選べます。

Maxは、1176やLA-2Aなどをもとにしたコンプレッサーのプリセットを追加する機能です。細かなつまみを1つずつ調整するより、歌や楽器に合わせた設定を選んで録り始めたい人に向いています。ただし、これは録音する入力側にかける処理です。後から何度も調整したい音は、加工を切って録り、録音ソフトのプラグインで整える方が扱いやすいでしょう。

英語圏の制作例でも、Maxを常に使うことが前提ではありません。米国の楽器店Guitar CenterによるElise Trouwの制作デモ記事では、4本のマイクによるドラム録音や、ToneとMaxを切って後から音を整える使い方が紹介されています。買う基準は「機能があるか」だけでなく、自分がどの段階で音を決めたいかです。

1人で演奏しながら録るなら、オートゲインが助けになる

マイクの前へ戻って歌い、パソコンを見て音量を直し、また戻る。1人の録音では、この往復が意外に面倒です。1 Gen 2以外の5機種は、演奏を聴いて入力レベルを設定するオートゲインに対応します。本番でいちばん大きな音を出す部分を演奏してから録り始められます。

一方、1 Gen 2は自分でゲインを調整する構成です。短く試し録りしてレベルを決める作業が苦にならなければ、機能を足すよりマイクやヘッドホンへ予算を回せます。32ビットという数字だけで、入力レベルを気にせず録れると考えないことも大切です。設定の考え方は、Universal AudioのVoltの録音レベル解説にまとめられています。

あなたの録り方なら、このVoltを選ぶ

ここからは、つなぐ機材と予算を合わせて選んでいきます。余った入力よりも、次の録音で本当に使う機能を基準にすると、上位モデルへ際限なく迷わずに済みます。

Volt 1 Gen 2|マイク1本とギターから始める

歌のマイクと、直接つないだエレキギターやベースを録る。あるいはギターを録ってから歌を重ねる。こうした使い方なら、まず1 Gen 2で必要な入力を満たせます。旧Volt 1と違い、新型はマイクと楽器を同時に録れる2入力です。

本体に2万円台の予算を考えていて、ゲインは自分で調整できるなら、1 Gen 2を選ぶ理由ははっきりしています。Tone Shapingや付属ソフトも使えるため、単に音作りの機能を我慢する選択ではありません。

ただしマイクは1本までです。歌とアコースティックギターをそれぞれマイクで拾いたい、ギターをマイク2本で録りたいなら2 Gen 2へ。ピックアップのないアコースティックギターを、楽器入力へ直接つなぐこともできません。

Volt 2 Gen 2|マイク2本と、録り始めやすさが欲しい

歌とギターをマイクで同時に録る、アコースティックギターを2本のマイクで拾う、2人の声を別々に録る。マイク入力を2つ使うなら2 Gen 2です。4万円前後の予算で、画面表示とオートゲインによる調整のしやすさも手に入ります。

本体のノブは、操作するチャンネルや出力を選んで使う方式です。各入力に専用のゲインつまみが欲しい人は、前面の写真も見て操作を想像しておくと選びやすくなります。

録音後のコンプレッサーはソフトでかける、外部のシンセを増やす予定もない。その条件なら2 Gen 2で進めてよいでしょう。MIDI端子と光入力は付いていないため、古いMIDI機器をつなぐ人や入力拡張を考える人は、4 Gen 2かMaxへ進みます。

Volt 4 Gen 2|歌やギターに、ステレオのシンセを足す

マイクやギターをつないだまま、シンセの左右出力も挿しておきたい。4 Gen 2は、そんな机まわりを4つのアナログ入力でまとめられます。マイク入力2つに加え、ライン入力が2つある構成です。

5万円台の予算で迷いやすいのが2 Maxとの比較です。歌とギターの2入力だけなら2 Maxの音作りやヘッドホン機能を選べますが、そこにステレオのシンセも同時につなぐなら4 Gen 2。足りない入力を、本体コンプレッサーで埋めることはできません。

コンプレッサーは録音ソフトでかければ十分、でもMIDIや光入力は欲しい。その人には4 Gen 2が合います。マイクを4本直接つなぎたい場合は4P Maxへ進んでください。

Volt 2 Max|2入力で、音を整えながら録りたい

同時に録るのは歌とギターまで。録音を始める時点でコンプレッサーのかかった音を聴き、演奏に集中したい。入力を増やすよりこの使い方を選ぶなら、2 Maxです。予算の目安は5万円台です。

ヘッドホン端子は標準とミニの2つで、2人が同じミックスを聴けます。録音する側から演奏者へ声を送るトークバック用マイクも内蔵しています。自分の重ね録りだけでなく、友人の歌を録るときにも役立つ構成です。

MIDIと光入力も備えるため、2 Gen 2へコンプレッサーだけを足したモデルではありません。ただし、ヘッドホン2端子から別々のミックスを出す用途には合いません。シンセなどを含むアナログ4入力が必要なら、4 Gen 2か4 Maxを選びます。

Volt 4 Max|4入力で録り、2組のスピーカーで仕上げる

マイクやギターとステレオのシンセをつなぎ、本体のMax処理も使いたい。録音後は、いつものモニタースピーカーと小さなスピーカーを切り替えて、歌や低音の聞こえ方を確かめたい。こうした録音から仕上げまでをまとめるのが4 Maxです。

予算は7万円台を目安に考えます。4 Gen 2より増える機能の中でも、Max処理とスピーカー切り替えを普段から使うなら、追加する意味があります。スピーカーが1組だけで、本体コンプレッサーも使わないなら4 Gen 2へ予算を戻せます。

4 Maxもマイクプリアンプは2基です。歌う人を増やすなど、マイク3〜4本を直接つなぐ予定があるなら、次の4P Maxとの違いを優先してください。

Volt 4P Max|マイク4本で演奏をまとめて録る

キックとスネア、左右のオーバーヘッドをマイク4本で録る。あるいは、2人の歌と2本の楽器用マイクを同時に使う。4つの入力すべてにマイクプリアンプが必要なら4P Maxです。

9万円前後の予算を考える機種ですが、4 Maxとの違いは「より上位だから」という曖昧な理由ではありません。マイクを直接つなげる数が2本から4本へ増えることが、はっきりした購入理由です。別のマイクプリアンプをそろえず、4本を本体へまとめられます。

反対に、歌、ギター、ベースを1つずつ重ねるだけなら、曲のパート数が多くても4本のマイク入力は使いません。今の録り方で空く端子が多いなら、2 Gen 2や2 Maxにして、残りをマイクや録音場所の調整に回す選び方もあります。

買う前に、ソフト・接続・旧型との違いを確認する

付属アンプソフトは、パソコンを通して聴く

Voltには録音ソフトのLUNA Freeや、UADのエフェクト・音源などが付属します。ギター用のLion ’68やShowtime ’64も含まれるため、インターフェースと一緒に音作りを始めたい人には魅力です。ただし、付属プラグインを動かすのはパソコンです。Apolloのように、任意のUADプラグインを本体側で動かせるわけではありません。

ギターを弾きながらアンプソフトの音を聴くときは、録音ソフト側の入力モニターを使い、VoltのDirectを切ります。両方を鳴らすと、加工前の音が混ざり、音が二重になったり細く聞こえたりします。

本体のTone/Maxを聴く

楽器・マイク → Volt → ヘッドホン

Directで聴く。録音ソフト側の入力モニターは切る。
アンプソフトの音を聴く

ギター → Volt → パソコンのアンプソフト → Volt → ヘッドホン

Directを切り、録音ソフト側で聴く。音の遅れはソフトの設定にも左右されます。
録音中に自分が聴く経路の違いです。Directを切っても、入力音は録音ソフトへ送られます。

この切り替えはVolt 2 Maxの公式説明書でも説明されています。Maxを買えばアンプソフトの遅れまでなくなる、という理由では選ばないようにしましょう。

付属ソフトはUA Connectで本体を登録して取得します。期間付きの特典もあり、FL Studio Producer Editionは3か月分です。ソフト一式がすべて無期限で使えるとは考えず、使いたいソフトの取得条件と動作環境を確認してください。

光入力で増やす場合は、別の機材も予算に入れる

4 Gen 2とMaxは、光ケーブルで複数チャンネルを送るADAT入力に対応します。対応する外付けマイクプリアンプなどがあれば入力を増やせますが、光入力へマイクを直接挿すことはできません。

追加できる数は44.1/48kHzで最大8チャンネル、88.2/96kHzで4、176.4/192kHzで2です。「最大12入力」と書かれていても、本体にマイク端子が12個ある意味ではありません。最初からマイク4本を使うなら、拡張機材やケーブルを足す総額と、4P Max単体で始める予算を比べてください。

MIDI端子は、4 Gen 2とMaxでは3.5mmのType-Aです。5ピン端子の機材へつなぐには対応ケーブルや変換アダプターを用意します。MIDIは演奏情報を送る接続なので、シンセそのものの音を録るライン接続も別に必要です。

接続するパソコンと給電、旧型の端子も見ておく

本体の対応環境はWindows 10以降の64ビット、macOS 12以降などですが、付属ソフトには別の条件があります。WindowsではUA Connectから専用ドライバーを入れて使います。USB-Cケーブルが付属するので、パソコン側がUSB-Aだけなら、データ通信に対応した接続方法も用意しておきましょう。

USBからの給電は接続機器とモデルによって条件が変わります。特に4P Maxで複数のコンデンサーマイクへ電源を送る場合は、付属の外部電源を使う前提で置き場所を考えると無理がありません。iPhoneやiPadで使う人は、端子の形だけでなく、必要な変換アダプターと給電まで確認してください。

旧型から買い替えるときは、今のケーブルがそのまま使えるかも見ます。たとえば旧Volt 2には5ピンのMIDI入出力がありますが、2 Gen 2にはMIDI端子がありません。新型ならすべての接続が増えるわけではない点は、見落としたくない違いです。

今のVoltで入力数も録音時の操作も足りているなら、32ビットという表記だけで買い替える必要はありません。マイクを増やす、オートゲインで準備を減らす、本体のMax処理を使う。今困っていることに答えがある機種を選びましょう。

必要な1台が決まったら、録音の準備へ

歌とギターから始めるなら1 Gen 2、マイク2本と調整のしやすさなら2 Gen 2。シンセも同時につなぐなら4 Gen 2です。本体のコンプレッサーを使う人は、2入力なら2 Max、4入力とスピーカー切り替えなら4 Max、マイク4本を直接録るなら4P Maxへ進めます。

次に録る演奏を、ケーブルの接続まで思い浮かべると、必要な機種が決まります。購入ページでは「Gen 2」「Max」「4P」まで型番を見て、選んだモデルと一致していることを確かめてください。

本体が決まったら、マイク録音に使うヘッドホンと、録音ソフトの初期設定もそろえておきましょう。

録音中に使うヘッドホンを選ぶ
歌やギターのマイク録音と、予算に合わせて探す
機材をつないで、最初のギターを録る
接続から録音ソフトの設定、音の確認まで

Volt以外のメーカーも含めて比べたい場合は、ギター宅録向けオーディオインターフェースの選び方へどうぞ。

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