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パワーコードを弾くと気持ちよく歪むのに、バンドの中では音が細くなる。逆に、歪みを足すほどコードが潰れてしまう。ディストーション選びでは、歪みの深さに加えて、どの音域が目立つか、アンプをどこまで歪ませるかが大切です。
この記事ではBOSS DS-1、ProCo RAT2、MXR Distortion+、BOSS DS-2の定番4機種を比較します。1万円前後から2万円台を予算の目安に、ロックのリフ、太いリード、アンプをプッシュする使い方まで、自分の音に合うペダルを探してみましょう。
ディストーションはアンプとの組み合わせで選ぶ
歪みペダルは、クリーンなアンプにつないだときと、すでに歪んでいるアンプにつないだときで効き方が変わります。ペダルを歪みの主役にするか、アンプの歪みに足すかを先に決めると、必要な調整機能を絞れます。
クリーンアンプでリフからソロまで作るなら、歪みと音色の調整幅に注目します。DS-1とRAT2は3つのノブで探れますが、音色ノブの働きは異なります。DS-2は2種類のキャラクターを選べるため、中域が目立つリードも作りやすい構成です。
アンプの歪みがすでに好みに近いなら、Distortion+のように、歪み量と出力だけでプッシュするペダルも選べます。反対に、低音・中音・高音を細かく補正したい場合、今回の4機種は音質調整が限られます。
定番ディストーション4機種の違い
鋭い輪郭、歪みの広さ、中域の存在感のうち、どれを足したいかで選びます。ジャンル名だけで決めず、リフとソロのどちらに使うかも考えてみてください。
横にスクロールして比較できます。
| 機種 | 音作りの特徴 | 選ぶ場面 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| BOSS DS-1 | エッジの効いた歪み。TONEで高域と低域のバランスを変える | パンク、ハードロック、90年代ロックのリフ | TONEを上げすぎると、ギターとアンプ次第で細く鋭くなる |
| ProCo RAT2 | 軽い歪みからファズに近い深い歪みまで。FILTERで高域を削る | オルタナティブロック、荒いリフ、幅広い歪みを探す | FILTERは時計回りで暗くなる。一般的なTONEと操作感が違う |
| MXR Distortion+ | OUTPUTとDISTORTIONの2ノブ。音色はギターとアンプでも整える | ブルースロック、80年代ハードロック、アンプのプッシュ | TONEノブがなく、ペダルだけで細かい音質補正はできない |
| BOSS DS-2 | TURBO Iと、中域をブーストするTURBO II | 厚みのあるリフ、中域が目立つリード | 演奏中のモード切替には別売りフットスイッチが必要 |
BOSS DS-1|エッジを残してコードを歪ませる
DS-1は、ザラつきのある歪みと輪郭のはっきりしたリフを作りたいときに選びたいペダルです。LEVEL、TONE、DISTの3ノブで、歪み量・明るさ・音量を調整します。
TONEを時計回りに回すと高域が増えると同時に低域が減り、反時計回りでは逆に低域が増えて高域が減ります。音が細いと感じたとき、DISTを上げる前にTONEを戻すと、別の方向から整えられます。
BOSSのDS-1解説では、カート・コバーンが『Bleach』期に使ったことや、スティーヴ・ヴァイの使用が紹介されています。こうしたロックの歪みが好みなら、選ぶきっかけにしやすい機種です。
ProCo RAT2|軽い歪みから荒々しいリフまで探る
RAT2は、ひとつのペダルで歪みの深さを広く試したい方に向いています。DISTORTIONを控えれば軽い歪み、上げれば密度の高いディストーション、さらに深くすればファズに近い荒さまで探れます。
FILTERは時計回りで高域をカットします。歪みを増やしてザラつきが強くなったら、FILTERも少しずつ回して耳につく成分を整えます。オルタナティブロックのリフや、滑らかさより荒い質感を残したい音作りに合う方向です。
EQを細かく分けて調整する機種ではありません。また、現行国内仕様の電源端子は2.1mmのセンターマイナスです。中古の旧仕様には端子の違いがあるため、古いRATの情報で電源を選ばないようにしましょう。
MXR Distortion+|アンプと合わせて作るシンプルな歪み
黄色いDistortion+は、OUTPUTとDISTORTIONだけで操作するペダルです。軽い歪みでブルースロックを弾く使い方から、歪みを深くした80年代ハードロックまで、アンプと合わせて音を作ります。
ランディ・ローズのDistortion+使用は、Dunlopのシグネチャーモデル解説でも紹介されています。すでに歪んだアンプをさらにプッシュする使い方の参考になる例です。ここで選んでいるのは通常モデルのM104です。
TONEノブがないため、耳につく高域や低域の量は、アンプやギター側でも整えます。ノブを少なくしたい方には分かりやすく、クリーンアンプでペダルだけを使って細かく音色を仕上げたい方には調整が足りないことがあります。
BOSS DS-2|リフとリードでキャラクターを変える
DS-2は、中低域を備えたTURBO Iと、中域をブーストするTURBO IIを搭載しています。特にTURBO IIは、バンドの中で単音の存在感を出したいリードに使いやすい方向です。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテは、BOSSの解説でDS-2の使用例として挙げられています。ファンクロックのクリーンなカッティングから、歪んだリードへ切り替える音作りが好きなら、TURBO IIの中域に注目して聴いてみてください。
本体のペダルはエフェクトのオン・オフ用です。2モードを演奏中に足元で切り替える場合は、REMOTE端子へ別売りの対応フットスイッチをつなぎます。手元の切替だけで足りるか、足元の機材も増やすかを含めて選びましょう。
ディストーションの音作り|コードが潰れる・高音が痛いときの調整
ペダルとアンプの両方で歪みを増やしすぎないことが、コードの輪郭を残す出発点です。まずアンプをクリーン寄りにして、ペダルの歪み量を少しずつ上げます。
歪みと音色を調整→アンプ
クリーン寄り
アンプの歪みが好きな場合は、ペダルの歪みを控え、出力でアンプをプッシュする方向も試せます。
高音が痛ければ、DS-1のTONEは反時計回り、RAT2のFILTERは時計回りへ少しずつ動かし、耳につく高音を抑えます。低音が膨らむならアンプのBASSも見直します。ギターだけでは少し控えめに感じる音でも、ベースやドラムと合わせると収まりがよいことがあります。
ソロで音量を上げたいのに、歪みだけが増える場合は、アンプがすでに強く歪んでいることも考えられます。LEVELを上げる前に、アンプ側に音量が増える余裕があるかを確認してください。
作りたい歪みから定番を絞る
輪郭ならDS-1、広い歪み幅ならRAT2、アンプのプッシュならDistortion+、中域のリードならDS-2が選び方の目安です。普段弾くリフとソロを同じギター・アンプで比べると、必要なキャラクターが見えてきます。
アンプに複数の歪みが入っているなら、まずその音を使い込んでから、足りないキャラクターだけをペダルで足す方法もあります。

