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クリーンでカッティングを弾くと、強く当たった音だけ飛び出す。単音を伸ばしたいのに、フレーズの最後がすぐ小さくなる。コンプレッサーは、そんな音量の変化を整えたり、音の伸びを作ったりするペダルです。
ただ、粒をそろえる音も、コンプレッサーらしい圧縮感を加える音も、同じ設定ではありません。この記事ではCS-3、Dyna Comp、Keeley Compressor Plus、CP-1Xの4機種を、1万円台後半〜3万円前後の予算感で比較します。カッティング、アルペジオ、単音のどこに使いたいかから選んでいきましょう。
ギターにコンプレッサーは必要?使いたい音から判断する
ファンクやR&B、ポップスのクリーンでは、コードとミュートを交互に弾いたときの粒立ちが選ぶ基準です。カントリーの細かい単音や、クリーンのリードなら、立ち上がりと伸びのバランスを聴きます。音量差を整える目的と、圧縮した音そのものを使う目的を分けると、欲しい機能が見えてきます。
コンプレッサーは、大きい信号を抑え、下がった全体の音量を持ち上げることで、小さい音や減衰していく部分を聴き取りやすくします。弦の振動を無限に続けるわけではなく、ミスしたタイミングや不要な弦の響きを直す効果でもありません。
大きい部分を抑え、全体の音量を調整する。音の粒や伸びを作る。
圧縮していない立ち上がりも残し、伸びと反応のバランスを取る。
仕組みを示す模式図です。特定の機種を測定した波形や性能比較ではありません。
圧縮感・原音混合・表示から4機種を比較
少ないノブで圧縮感を作るならDyna Comp、原音を混ぜるならCompressor Plus、効き方を表示で追うならCP-1Xです。CS-3は、立ち上がり・伸び・高域を別々に調整したいときに選びやすい構成です。
| 機種・予算感 | 選ぶ決め手 | 主な調整 | 見送る条件 |
|---|---|---|---|
| BOSS CS-31万円台後半 | 立ち上がりと伸び、高域をノブで調整 | LEVEL/TONE/ATTACK/SUSTAIN | 原音の混合や圧縮量の表示が必要 |
| MXR M102 Dyna Comp2万円前後 | 2ノブで、パーカッシブな圧縮感を作る | OUTPUT/SENSITIVITY | 原音混合や音質を細かく調整したい |
| Keeley Compressor Plus2万円台後半〜3万円前後 | 原音を混ぜ、ピッキングの反応と伸びを両立 | SUSTAIN/LEVEL/BLEND/TONE、リリース切替 | ブレンドを使わず、操作を絞りたい |
| BOSS CP-1X2万円台後半〜3万円前後 | マルチバンド処理と圧縮量の表示 | LEVEL/ATTACK/RATIO/COMP | 原音混合を独立ノブで操作したい |
表がはみ出す場合は、横にスクロールして比較できます。
定番コンプレッサー4機種の調整と使いどころ
同じフレーズを同じ音量でオン・オフし、変えたい部分だけを調整するのが選ぶ近道です。音量が上がっただけで「良くなった」と判断せず、立ち上がり、音の終わり、弱く弾いた音を比べます。
BOSS CS-3|立ち上がり・伸び・高域を作る
カッティングの頭をはっきりさせたい、単音も伸ばしたい。その2つを別のノブで試すならCS-3です。ATTACKで立ち上がりを、SUSTAINで伸びを調整し、TONEで高域を整えられます。
たとえば、クリーンのコードが丸く聞こえすぎるならATTACKの変化を聴き、音を伸ばしたときにすぐ小さくなるならSUSTAINを調整します。高域が目立ちすぎたらTONEを戻す。触ったノブと音の変化を結び付けたい人に向く構成です。
CS-3のATTACKを、録音用コンプレッサーの「何ミリ秒で圧縮する」という時間設定と同じつもりで読むと混乱します。まずは立ち上がりの強さを耳で比べてください。原音を混ぜるBLENDや、圧縮量のメーターはないので、それを必要とする人はCompressor PlusやCP-1Xを比べます。
MXR M102 Dyna Comp|2ノブで圧縮感を音にする
「カッティングに、コンプレッサーらしい粒立ちを足したい」。Dyna Compは、その圧縮感を積極的に音作りへ使う目的で比べたい1台です。メーカーも、パーカッシブな立ち上がりやサスティンを特徴として挙げています。
操作はOUTPUTとSENSITIVITYの2つ。SENSITIVITYで効き方を変え、OUTPUTでオン・オフの音量を合わせます。ファンクのミュートを交えたカッティングや、カントリーの細かい単音を弾き、どのくらい圧縮感を出したいかを試してみてください。
ノブが少ないぶん、立ち上がりや音質、原音の割合を独立して調整する自由度はありません。変化をなるべく控え、原音を混ぜて合わせたいならCompressor Plusのほうが要求に合います。ここで扱うのは標準サイズのM102で、MiniやDeluxeとは操作が違います。
Keeley Compressor Plus|原音を混ぜて反応を残す
音は伸ばしたいけれど、ピックを当てた瞬間まで平らにしたくない。そのバランスを自分で取るならCompressor Plusです。BLENDで原音と圧縮した音を混ぜ、SUSTAINとLEVELで効き方と出力を調整します。
圧縮感が強すぎると感じたら、SUSTAINを下げるだけでなく、BLENDで原音を増やす方法も選べます。アルペジオやクリーンのコードで、ピッキングの反応を残しながら減衰を聴きたい人に向きます。TONEも備えているので、圧縮によって高域の印象が変わったときに調整できます。
SINGLE COIL/HUMBUCKERのスイッチは、ピックアップに合わせてリリースの動作を切り替えるものです。ギターを替えたときの反応を合わせる入口として使えます。ブレンドを使わず、少ない操作で圧縮感を作りたいなら、Dyna Compも比べてください。
今回の対象は通常のCompressor Plusです。Germanium版など、名前の近い別仕様と取り違えないようにします。
BOSS CP-1X|圧縮量を表示で確かめる
「効いているのか分かりにくくて、つい深くかけてしまう」。その確認に表示を使いたいならCP-1Xです。ゲイン・リダクション・インジケーターで、音がどれだけ圧縮されているかを見られます。
音域ごとに処理するマルチバンド方式を採用し、LEVEL、ATTACK、RATIO、COMPの4ノブで操作します。COMPは圧縮が始まる信号レベルの調整です。低い弦と高い弦、コードと単音を交互に弾き、耳と表示の両方で効き方を追える点が選ぶ理由になります。
原音を混ぜる専用ノブはありません。BLENDを中心に調整したいならCompressor Plus、少ないノブで定番の圧縮感を作りたいならDyna Compのほうが目的に合います。表示を大きく振らせることより、曲の中で強弱がどう残るかを優先してください。
メーカーが説明する18V動作は、本体内部で電圧を上げる仕組みです。外部へ18Vアダプターをつなぐ指示ではありません。CP-1Xの説明書では、電源はDC9Vと指定されています。
接続と音量をそろえて、かけすぎを防ぐ
使い方を覚える入口は、ギター → コンプレッサー → 歪み → コーラスやディレイ → アンプです。まずクリーンで効き方を確認し、その後に普段の歪みをオンにします。
コンプレッサーを歪みの前へ置くと、歪みに入る信号の強弱が整います。出力を上げれば後段をプッシュする使い方もできますが、歪み量やノイズの変化も一緒に確認します。歪みの後へ置けば、出来上がった歪みの音量変化に作用するので、順番で目的が変わります。
最初はオン・オフの音量をそろえ、圧縮を浅くします。カッティングでは普通に弾いた音とミュート、単音では強いピッキングと弱いピッキングを交互に比べてください。伸びが増えても、強弱がすべて同じに聞こえるなら、効き方を戻すか、原音を増やします。
コンプレッサーで小さい音が聞こえやすくなると、元のノイズも目立つことがあります。そのときは出力・圧縮量を戻し、電源やケーブル、歪み量を切り分けます。ノイズを抑えるために、必要な余韻まで強く切る設定へ進まないようにしましょう。
切り分けても、弾くのを止めたときのノイズが気になる方は、ノイズリダクションの抑え方と接続もご覧ください。休符を静かにすることと、伸ばした音の余韻を残すことを分けて考えられます。
欲しいコンプレッサーの効き方から選ぶ
立ち上がりと音質の調整ならCS-3、2ノブの圧縮感ならDyna Comp、原音混合ならCompressor Plus、表示とマルチバンド処理ならCP-1X。価格の違いだけでなく、どの調整を使いたいかで選べます。
普段のギターとアンプで、カッティングと単音を1つずつ試してみてください。音量をそろえても、そのフレーズに欲しい反応や伸びが加わるか。そこを基準にすれば、かけっぱなしにしたいのか、曲の一部だけ使いたいのかも決めやすくなります。

