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PRSから、新しいモダンギターのファミリー「TEKTON」が登場しました。薄いネック、長めのスケール、ステンレスフレットに、専用設計のStylusピックアップ。見慣れたPRSの色違いとして見るより、今のプレイヤーが求める演奏仕様を、新しいボディとネックから組み立てたシリーズとして見ると、その面白さが伝わってきます。
ラインアップは固定ブリッジのTekton、PRSトレモロのTekton T、Floyd Roseを載せたTekton “Floyd”、そして7弦のTekton SVN。共通する設計の狙いと、4モデルの選び分けを整理していきましょう。
PRSはTEKTONで何を目指したのか
TEKTONの開発背景には、より薄いネック、長いスケール、フラット寄りの指板、ステンレスフレットを望むプレイヤーの声がありました。PRSの開発チームは、そこへデジタル機材での音作りも見据えたピックアップを組み合わせ、新しいファミリーを設計しています。
注目したいのは、こうした仕様を追加パーツの一覧で終わらせず、ボディ・ネック・ピックアップを、一つの演奏感へ向けてまとめていることです。ボディはVelaとCustomの造形を出発点に描き直し、ハイポジションへ手を入れやすくする大きなカットと、体に沿うコンターを設けています。
メーカーは、このボディとネックをPRSの標準量産モデルで最も薄いものだと説明しています。ただ細く削るのではなく、Modern Dという輪郭を持たせたのも特徴です。ネックを薄くしたい一方で、握った時の支えまで失いたくない。その狙いが、TEKTONの演奏仕様につながっています。
背景を詳しく知りたい方は、PRSによるTEKTONの開発解説も読んでみてください。ボディの起こし方や、試作段階で寄せられたプレイヤーの意見が紹介されています。
新しいボディとModern Dネック、演奏仕様のつながり
6弦モデルのスケールは25.5インチ、7弦のSVNは26.5インチ。全モデルに24フレットのエボニー指板と、ステンレス製のジャンボフレットを採用しています。指板のラジアスは16インチで、丸みの強い指板から持ち替えると、チョーキングや弦移動の感触を比べたくなる仕様です。
| 注目する部分 | 設計・仕様 | 演奏で確かめたいこと |
|---|---|---|
| ボディとネック | 新形状の薄いボディとModern D。SVNは専用のModern D SVN | 立って構えた時のバランス、コードとリードでの握り方、ハイポジションへの動き |
| スケールと指板 | 6弦25.5インチ/SVN26.5インチ、16インチのエボニー指板 | フレット間隔、チョーキング、低音弦の張りの好み |
| フレット | 24フレット、ステンレス製ジャンボフレット | 軽く押さえた時の感触と、普段の力加減での音程 |
| 弦間と目印 | Silver Sky・Fioreと同じ弦間、オフセットドット、Luminlayサイドドット | ピックの入り方、弦移動、演奏中のポジションのつかみ方 |
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薄いネックやフラット寄りの指板が、誰にとっても弾きやすいとは限りません。親指を掛けてコードを弾く方と、ネックの裏に親指を置いて広く指を動かす方では、気に入る感触も違います。いつものコード、低音弦のリフ、高いポジションのリードを続けて弾き、自分の握り方で確かめたいところです。
ジャンボフレットも同様です。普段のギターと同じ力で強く押さえるだけでなく、少し力を抜いた時の音程やチョーキングの感触を比べると、TEKTONへ持ち替えるイメージがつかめます。ステンレスという材質だけを理由に、音が優れていると決める必要はありません。
SVNは、6弦モデルに低音弦を1本足しただけではありません。Modern D SVNのナット幅は6弦より広く、スケールも長くなります。低音域が必要かに加え、広い指板でどんなボイシングやフレーズを弾きたいかまで考えると、選ぶ理由がはっきりします。
Stylusピックアップが狙う明瞭さと、音の使い分け
TEKTONには、このファミリーのために開発されたStylusピックアップを搭載しています。メーカーが目指したのは、アグレッシブさを持ちながら音の輪郭を保ち、各ポジションを単独でも組み合わせても使えること。ハムバッカーだけでなく、コイルスプリットした時の音も設計に含めています。
真空管アンプとモデリング機材の両方を想定した設計ですが、完全にフラットな特性のピックアップではありません。自分が普段使う歪みで、コードやリフの音をどう分けられるかが聴きたいポイントです。モダンという言葉から、出力の大きさだけを期待するより、音の使い分けに注目してみてください。
低音リフの刻みとコードの構成音。歪みを足した時にも、欲しい輪郭が残るか。
和音、アルペジオ、ポジションの切替。曲の中で使いたい音が増えるか。
いつものアンプ設定を出発点に、音量を絞った時の歪み方や明るさを聴く。
まずはPRS公式のデモでシリーズの音の方向をつかみ、その後に自分のアンプや普段の設定で試す流れが分かりやすいでしょう。動画の音には演奏者、アンプ、録音処理も含まれるため、異なる動画を並べて4モデルの音質順位を決めることはできません。
Tekton・T・Floyd・SVN、4モデルをどう選ぶ?
共通する設計が気に入ったら、次はアームの使い方と、7弦が必要かで絞ります。Floydはボディ材もほかの3モデルと異なるので、ブリッジだけを替えたモデルとして見ないことも大切です。
| モデル | 弦数・スケール | ブリッジ | ボディ |
|---|---|---|---|
| Tekton | 6弦・25.5インチ | PRS Hardtail | マンゴートップ+マホガニーバック |
| Tekton T | 6弦・25.5インチ | PRSの2点支持トレモロ | マンゴートップ+マホガニーバック |
| Tekton “Floyd” | 6弦・25.5インチ | Floyd Rose 1000 Series | アルダー |
| Tekton SVN | 7弦・26.5インチ | 7弦用PRS Hardtail | マンゴートップ+マホガニーバック |
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Tekton|固定式でリフとリードを弾きたい
アームを使わず、固定ブリッジの感触を好むならTektonです。PRS Hardtailは弦ごとのサドルを備えた裏通し式。TEKTONのネックやピックアップを、固定式の1本で使いたい方に合います。
曲に合わせて別のチューニングも使うなら、フローティング式の釣り合いを考えなくてよいのも選ぶ理由です。ただし、大きくチューニングを変えたり弦のゲージを替えたりすれば、ネックや弦高、オクターブの調整は必要になり得ます。アームを使うフレーズが大切なら、TやFloydを選びましょう。
PRS Tekton / Bloodstone Red
Tekton T|PRSトレモロでアーム表現も取り入れる
Tekton Tは、スチールのプレートとブラスサドルを使うPRSの2点支持トレモロを搭載しています。コードやリードへ音程の揺れを加えたい方は、まずこのモデルを比べたいところです。
試奏では、アームの握りやすさだけでなく、普段のチョーキングやピッキングでの感触も確かめてください。フローティング設定では弦とスプリングが釣り合うため、チューニングを頻繁に替える使い方との相性も考えて選びます。
PRS Tekton T / Fuchsia Aura
Tekton “Floyd”|大きなアーミングを演奏に使う
Floyd Rose 1000 Seriesを選ぶモデルです。大きなアーミングやフラッターを自分の演奏に取り入れている方には、この機構が購入理由になります。ボディはアルダーで、マンゴートップとマホガニーバックのTとは構成も違います。
選ぶ時は、ロック式の弦交換や調整も含めて考えます。別チューニングや別ゲージでは釣り合いが変わるため、アームを使う利点と、設定を変える頻度の両方を見てください。手順はFloyd Rose公式の弦交換・チューニング案内でも確認できます。
PRS Tekton “Floyd” / Multi-Metal Flake Natural Neck
Tekton SVN|7弦と26.5インチを、使いたいフレーズで選ぶ
低音弦を加えたリフやボイシングを弾きたいなら、7弦のSVNです。26.5インチのスケール、Modern D SVNネック、7弦用のStylus SVNとPRS Hardtailを組み合わせています。
低い音が出ることに加えて、広いネックで弦をまたぐ動きや、長いスケールでのコードフォームも比べたいところ。6弦モデルを上位・下位に分ける選択ではなく、自分の曲で7弦を使うかどうかから選ぶ1本です。
PRS Tekton SVN / Imperial Topaz
気になる新設計を、いつもの演奏で確かめる
TEKTONを試す時は、いつも弾いているコード、リフ、リードを、そのまま持ち込むと違いをつかみやすくなります。新しいネックだから違う弾き方をしようとするより、普段の動きがどう感じられるかを先に見てみましょう。
座った時と立った時の重さの掛かり方、右腕が触れるボディの縁、ハイポジションへ動かした手の位置も確認したい部分です。Guitar WorldのTekton Tレビューでは、HX Stompを使った試奏のほか、腕に触れるトップの縁への所感も紹介されています。気になる方は、実物で自分の腕の置き方を確かめる材料にしてください。
国内での予算感はおよそ50万円。初めてこのクラスのギターを選ぶ方も、スペックだけで決め切る必要はありません。好きな色や杢目、購入個体の重さ、店側の調整内容と保証対応まで含め、長く弾きたくなる1本を選びたいですね。
付属ケースはPremium Gig Bagです。工場出荷時の弦は6弦が10–46、SVNが10–59。希望するチューニングやゲージが決まっていれば、購入時の調整内容と一緒に相談しておくと、使い始める時のイメージも具体的になります。
TEKTONの面白さは、PRSが新しい外観と演奏仕様を、一つのモダンギターとして形にしたことです。その方向に惹かれたら、固定式、PRSトレモロ、Floyd Rose、7弦のどれで自分の音楽を弾きたいか。そこから欲しいモデルを絞ってみてください。
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